【AutoCAD 初心者】独学 009:オブジェクト スナップで正確な位置を指定しよう!!

2022年4月30日

【AutoCAD 初心者】独学 009:オブジェクト スナップで正確な位置を指定しよう!!

今回は、正確な位置を指定する方法を紹介します。

たとえば、ある図形の端点、中点、中心などの正確な場所を指定する方法です。

製図なので、「だいたいこの辺り」なんてことはできませんよね。

そのために、AutoCAD にはオブジェクト スナップという機能があります。

初心者

AutoCAD では、図形のことをオブジェクトと言います。

オブジェクト スナップは、略して Oスナップ ということもあります。

 

オブジェクト スナップってなに?

すでに描かれている図形の「端点」「中心」「交点」などを正確に指定する機能です。

具体的には、以下の設定があります。

  • 端点
  • 中点
  • 中心
  • 図心
  • 四半円点
  • 交点
  • 延長
  • 挿入基点
  • 垂直
  • 接線
  • 近接点
  • 仮想交点
  • 平行

いろいろありますね。

これらの機能を使用して、正確に位置を指定できます。

たとえば、カーソルを線分の上に持っていくと、その端点を示す □ が表示されます。

この □ が表示されている状態でクリックすると、正確な端点を指定できます。

 

オブジェクト スナップの設定

オブジェクト スナップの設定は、ステータス バーにあります。

初期設定では、オンになっています。

オブジェクト スナップの設定

クリックすると、オフになります。

オフの状態

このように、クリックするごとに、オンとオフが切り替わります。

また、どの設定が有効になっているのか確認するには、ボタンの上で右クリックします。

✔ がついているものが設定されているということです。

Oスナップの設定

たとえば、中点 も設定したいときは、中点をクリックします。

すると、もう一度ステータス バーのボタン上で右クリックすると、チェックがついて設定されたことが確認できます。

中点も設定された

ひとつずつ設定するのが面倒なときは、オブジェクト スナップ設定 をクリックします。

オブジェクト

すると、以下の画面が表示されます。

Oスナップの設定

ここで、一度にまとめて設定できます。

 

オブジェクト スナップを使用する

線分の上にカーソルを持っていきました。

でも、□ は表示されないですよ。

オブジェクト スナップが認識されない

はい、オブジェクト スナップは、何もコマンドを実行していないときは動作しません。

コマンドを実行していないときに、正確な位置を指定する必要がないからです。

たとえば、線分コマンドを実行してみてください。

そして、「1 点目を指定」と聞かれたときに、すでに描かれている図形の上にカーソルを持っていってみてください。

すると、端点が認識されます。

円の上に持っていくと、中心が認識されます。

中心が認識される

交点がある辺りでは、交点が認識されます。

交点が認識される

 

延長 オブジェクト スナップ

初期設定で、延長 というのが設定されてますね。

これってなんですか?

初期設定で、端点、中心、交点、延長 が設定されています。

延長以外は、なにかわかりますよね。

延長というのは、図形を延長して認識できるということです。

なかなか便利な機能なので、覚えたおいてくださいね。

 

延長の使用例:その1

たとえば、こんな図形があったとします。

2 本の線分

この 2 本の線分の交点を正確に指定したいとします。

交点あたりにカーソルを持っていっても、何も表示されません。

交点を取得できない

図形がないので、当たり前ですよね。

こんなときに便利なのが、延長 です。

最初に、ひとつ目の線分の端点にカーソルを持っていきます。

端点にカーソルを置く

そして、その線分の延びる方向あたりにカーソルを移動します。

すると、線分の延長方向に破線が表示されます。

延長が認識された

同じように、もうひとつの線分の端点にカーソルを持っていきます。

端点にカーソルを置く

そして、その線分の延長方向にカーソルを移動します。

すると、線分の延長方向に破線が表示されます。

そして、交点あたりにカーソルを持っていくと、交点の位置が認識されます。

交点が認識された

X が表示されている状態でクリックすると、正確な交点の位置を指定できます。

 

延長の使用例:その2

また、こんなこともできます。

線分コマンドを実行して、すでに描かれている線分の端点にカーソルを持っていきます。

端点にカーソルを持っていく

そして、線分の延長方向にカーソルを移動します。

破線が表示されていることを確認して、100 と入力します。

延長方向にカーソルを持っていって、100 と入力

すると、延長方向に 100 離れた位置が、これから作成する線分の始点になります。

延長方向に 100 離れた位置を指定できた

もう一度、端点上にカーソルを持っていきます。

端点上にカーソルを持っていく

そして、線分の延長方向にカーソルを移動します。

破線が表示されていることを確認して、500 と入力します。

破線が表示されていることを確認して、500 と入力

すると、もとからあった線分の延長方向に 100 離れた位置から、500 の長さの線分を作成できます。

線分を作成できた

 

一時オブジェクト スナップ

現在の設定は、以下のダイアログで確認できました。

Oスナップの設定

ここで設定しておけば、常に設定されたオブジェクト スナップが有効になります。

なので、定常オブジェクト スナップといっています。

それに対して、一時的に設定できるものもあります。

それを、一時オブジェクト スナップといっています。

たとえば、以下のような 2 つの円の接線を描きたいとします。

描きたい接線

線分コマンドを実行して、ひとつの円の上にカーソルを持っていくと、中心が認識されてしまいます。

これでは接線を作成できません。

そこで、定常オブジェクト スナップの設定を変更してやり直すっていうのは、面倒ですよね。

そんなときに便利なのが、一時オブジェクト スナップです。

Shift右クリック します。

すると、メニューが表示されるので、接線 をクリックします。

接線を選択

そして、円の上にカーソルを持っていくと、接線が認識されるのでクリックします。

もう一度Shift右クリック でメニューを表示して、接線 をクリックします。

接線を選択

そして、もうひとつの円の上にカーソルを持っていきます。

すると、接線が認識されるのでクリックします。

Enterを押してコマンドを終了します。

これで、接線が描けました。

接線が描けた

このように、通常は設定されていないオブジェクト スナップを一時的に使用できます。

 

まとめ

製図を行うときに、正確な位置を指定することはとても重要です。

オブジェクト スナップの機能を使用すれば、正確な位置を指定できます。

今回紹介した 端点、中心、交点、延長、接線 以外にも設定があるので、それぞれ試してみてください。

よく使うものは、定常オブジェクト スナップに設定しておきます。

そして、それ以外を使用するときは、Shift右クリック で一時オブジェクト スナップを使用します。

このことを覚えておけば OK です。

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