【AutoCAD LISP】LISP で図形を尺度変更する方法

2022年2月21日

そば打ち

LISP でオブジェクトを尺度変更したいんだけど…

どうすればいいの?

こんにちは、メモだよ!!管理人です。

今回は、AutoCAD で LISP を使用して、オブジェクトを尺度変更する方法を紹介します。

 

vla-ScaleEntity 関数を使用してオブジェクトを尺度変更

vla-ScaleEntity 関数を使用して、オブジェクトを尺度変更できます。

ここで、気をつけなければいけないのは、引数で指定する座標値は WCS ということです。

そのことを気をつけておかないと、WCS では問題なく尺度変更できても、UCS では思ったように尺度変更されないということになります。

では、サンプル コードを見てみましょう。

(defun c:ScaleObject ()
  ; AutoCAD のオブジェクトを取得
  (setq acadObject (vlax-get-acad-object))

  ; アクティブなドキュメントを取得
  (setq activeDocument (vla-get-activedocument acadObject))
  
  ; ドキュメントの Utilyty オブジェクトを取得
  (setq utility (vla-get-utility activeDocument))
  
  ; 選択した図形の VLA オブジェクトを取得
  (vla-getentity utility 'vlaObject 'pickedPoint "\nオブジェクトをを選択:")
  
  ; 尺度を設定
  (setq scaleFactor 2.0)
  
  ; 尺度変更の基点を設定(UCS で指定して、WCS に変換)
  (setq ucsBasePoint (vlax-3d-point 100.0 50.0 0.0))
  (setq wcsBasePoint (vla-TranslateCoordinates utility ucsBasePoint acUCS acWorld :vlax-false))
  
  ; オブジェクトを回転
  (vla-scaleentity vlaObject wcsBasePoint scaleFactor)
  
  (princ)
)

この LISP をロードして、ScaleObject コマンドを実行してみてください。

「オブジェクトを選択」と聞かれるので、尺度変更したいオブジェクトを選択します。

やったー!!

選択した四角形を 100,50 を基点にして 2 倍の大きさにできた。

尺度変更できた

試しに、適当な UCS にしてからも ScaleObject コマンドを実行してみてください。

vla-TranslateCoordinates 関数で、WCS の座標値に変換しているので、問題なく尺度変更できます。😄

 

基点を vlax-3d-point で指定したけど…

クリックして指定したいときは、どうすればいいの?

クリックして指定したいときは、vla-GetPoint 関数を使用します。

vla-GetPoint 関数で取得した座標値は、もともと WCS なので、vla-TranslateCoordinates 関数で変換する必要はありません。😄

  ; 尺度変更の基点を設定
  (setq wcsBasePoint (vla-GetPoint utility nil "基点を指定:"))

ホントだ!!

クリックして指定できるようになった!!

基点を指定できるようになった

-API
-