【AutoCAD LISP】LISP で図形を移動する方法

2022年2月19日

屋外でダンボール箱を台車に載せて運ぶ作業服の女性

LISP でオブジェクトを移動したいんだけど…

どうすればいいの?

こんにちは、メモだよ!!管理人です。

今回は、そんなあなたに、AutoCAD で LISP を使用して、オブジェクトを移動する方法を紹介します。

vla-move 関数を使用してオブジェクトを移動

vla-move 関数を使用して、オブジェクトを移動できます。

ここで、気をつけなければいけないのは、引数で指定する座標値は WCS ということです。

そのことを気をつけておかないと、WCS では問題なく移動できても、UCS では思ったように移動されないということになります。

では、サンプル コードを見てみましょう。

(defun c:MoveObject ()
  ; AutoCAD のオブジェクトを取得
  (setq acadObject (vlax-get-acad-object))

  ; アクティブなドキュメントを取得
  (setq activeDocument (vla-get-activedocument acadObject))
  
  ; ドキュメントの Utilyty オブジェクトを取得
  (setq utility (vla-get-utility activeDocument))
  
  ; 選択した図形の VLA オブジェクトを取得
  (vla-getentity utility 'vlaObject 'pickedPoint "\nオブジェクトをを選択:")
  
  ; 移動する基点(UCS で指定して、WCS に変換)
  (setq ucsBasePoint (vlax-3d-point 0 0 0))
  (setq wcsBasePoint (vla-TranslateCoordinates utility ucsBasePoint acUCS acWorld :vlax-false))
  
  ; 移動する目的点(UCS で指定して、WCS に変換)
  (setq ucsDistPoint (vlax-3d-point 100. 50.0 0))
  (setq wcsDistPoint (vla-TranslateCoordinates utility ucsDistPoint acUCS acWorld :vlax-false))
  
  ; オブジェクトを移動
  (vla-move vlaObject wcsBasePoint wcsDistPoint)
  
  (princ)
)

この LISP をロードして、MoveObject コマンドを実行してみてください。

「オブジェクトを選択」と聞かれるので、移動したいオブジェクトを選択します。

やったー!!

選択した円を移動できた。

選択した円を移動できた

試しに、適当な UCS にしてからも MoveObject コマンドを実行してみてください。

vla-TranslateCoordinates 関数で、WCS の座標値に変換しているので、問題なく移動できます。😄

 

移動する基点と目的点を vlax-3d-point で指定したけど…

クリックして指定したいときは、どうすればいいの?

クリックして指定したいときは、vla-GetPoint 関数を使用します。

vla-GetPoint 関数で取得した座標値は、もともと WCS なので、vla-TranslateCoordinates 関数で変換する必要はありません。😄

  ; 移動する基点
  (setq wcsBasePoint (vla-GetPoint utility nil "基点を指定:"))
  
  ; 移動する目的点
  (setq wcsDistPoint (vla-GetPoint utility wcsBasePoint "目的を指定:"))

ホントだ!!

クリックして指定できるようになった!!

基点を聞かれた

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